マリアンマクファーソン女史の記事より抜粋
マスターバスルームデザインに入る前にまず最近リフォームする消費者層はどんな人たちか考えてみよう。ハウズ社の調査によるとバスルームをリフォームした人の52%がベビーブーマー世代であったという。これは同世代が若い世代と比べて体力的な問題でリフォームをするニーズに迫られていることや経済的な余裕があることがその要因だと見ている。
ベビーブーマーが行なったバスルームリフォームはバスルームの間取りを変える(47%)、浴槽を撤去する(34%)、座るシート付きシャワールーム(62%)、手すり(55%)、床の段差を減らす・なくす(40%)、滑り止めのついた床(32%)となっている。ドアを減らすことや車椅子が入る洗面台などもその一つである。デザイン以上に高齢化に対応する安全策が中心になっていることがわかる。
上の写真を見てもわかるように浴槽を外してその分シャワーに広い面積をとっている。またシャワー内外の段差を無くし、手すりをつけるといった安全策を講じている。
ハウズ社エコノミストにニョシチナバ女史は「ベビーブーマー世代が家のリフォームを最も盛んに行いその予算も最も大きい。高齢化に備えたユニバーサルデザイン(UD、高齢者だけでなく誰にでも使いやすいデザイン)に需要が集中している。」という。
同調査によると現在のバスルームを気に入っていなかった(37%)、ようやく予算ができて実現した(30%)、現在のバスルームは機能的でない(25%)などいずれも潜在需要がかなりあることがわかる。
10u以上のバスルームにかかるリフォーム費用は平均で$16000となっている。それ以下の小さいバスルームでは平均$7000の費用をかけている。同じコストが2―3年前には$21000と$12000だったのでコストは縮小傾向にある。
リフォームをする場合最も人気のあるアイテムから紹介すると、水道の蛇口(92%)、壁(89%)、フロアー(88%)、ライト(85%)、シャワー(84%)、カウンタートップ(84%)、洗面流し(83%)、化粧台キャビネット・バニティー(83%)で最も人気のなかったのは窓を変える(25%)であった。
あと細かいデザインではレインフォールシャワー(天井の大型シャワーヘッドから湯が出る仕組み)(57%)、ハイテク便器(28%)などが上がっている。
人気カラーコーディネーションはグレー系が引き続き他色を圧倒している。壁では32%、フロアーでも30%、キャビネットでも35%と人気が高い。
デザインスキームではコンテンポラリー(20%)、トランジショナル(16%)、モダン(15%)、トラディショナル(14%)、ファームハウス(7%)、クラフトマン(3%)、ビーチ(3%)と続く。ファームハウス(天然木のフィニッシュ、天然色彩のテーマにグリーンやブルーなどのアクセントを加えたデザインが特徴)はこの2―3年で人気が最も上昇している。
メタルはニッケル(シルバーカラーのつや消し系、38%)ついでクローム(シルバーカラーのつやあり系、28%)と依然シルバーカラーが大多数を占めている。壁などに使うタイルはレンガと同じサイズのタイルでレンガを積むように互い違いに貼るもの(スタガード、66%)に人気がある。
今回の調査はマスターバスルームが対象となっており、ゲスト用バスルームや他のベッドルーム用のバスルームは対象外となっている。マスターバスルームは家のオーナーにとって最もプライベートな場所なのでこういった個人のニーズが直接反映されている。他のバスルームでは個人的ニーズの影響が比較的少なくなっている。
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