ヤフーニュースより抜粋
Zillow社はこのほどアトランタ市でも売買ビジネスをスタートすると発表した。すでに同社はラスベガス市とフェニックス市で行なっている。
家を売却しようとする売り手にとって同サービスは便利さと確実さをもたらしてくれる。同社が直接購入するため売りのタイミングは売り手の意思に任せられている。同社のデータでは71%の売り手が売却と同時に次の物件を購入しているという。多くの売り手にとって同時に売買を行うということはその手間とストレスによって一生で最も疲弊するプロセスであると言える。
Zillowオファーは売り手が経験するストレスを軽減し、確実に売買を追行するという点において大きな手助けとなる。売り手はクリックひとつで同社からの買取オファーを無料で瞬時に受け取ることができる。仮契約が成立すると売り手は引き渡し日を指定し、Zillowが物件検査をして最終価格が決定する。オープンハウスやショーイングといった手間は一切省略できる。取引が途中でキャンセルされるという心配もない。
Zillowブランド社社長ジェレミーワックスマン氏は「これまで市場参入したラスベガス、フェニックスにおいて当社では売り手からの強い手応えを感じた。売り手がタイミングを決められるということ、取引の透明性、確実性という点で消費者に大きな価値を提供できているようだ。これをアトランタ、近くデンバーでも提供する予定である。」としている。
売り手が直接売却を好まない場合、地元で活躍するプレミアエージェントや特定の契約企業を使って従来型の売却に切り替えるオプションも設けられている。アトランタではバークシャーハザウェイホームサービス、ベターホーム&ガーデン各社と提携している。
Zillow社自らが購入あるいは売却した場合、それに関わったエージェントにコミッションが支払われる。その意味においてエージェントが爪弾きを食らうことはない。
同社CEOスペンサーラスコフ氏は「当社では検索ポータルから始まり、新たなビジネスモデルを次々と登場させている。一連のビジネスモデルが目指すものは家の売買を取り扱うワンストップサービスである。その市場規模は巨大である。毎年エージェントが広告宣伝に費やす経費は120億ドルに達している。当社が扱う広告宣伝売り上げはその10%にも満たない。現在のZillowサイトユーザーは1億8800万人に達しており、このユーザー数からしても、今後市場規模は飛躍的に伸びるだろう。パイ全体をみるとレジ系不動産市場は関連産業も入れて1.8兆ドル、モーゲージ市場は1.1兆円という規模である。Zillowサービスを利用すれば物件情報やローンの検索、売買、ローン手続きに至るまで全てのプロセスをワンストップで行うことができる。」と述べている。
また同氏は「一部消費者やエージェントの中で我が社の直接売買やモーゲージレンダーオブアメリカ社買収について誤解があるようだ。直接売買ビジネスは決して「フリッピング(短期譲渡により利益を得るビジネス)」ではない。当社は売り手にとって家の売却を簡単でしかも確実にするという付加価値をつけるサービスに対してフィーをいただいている。事実直接売買を消費者が望まない場合、プレミアエージェントを使って従来型の売買サービスも利用できる。」と説明している。
モーゲージも含めて一連の動きは同社のエコシステムを強化することにつながる。同社のブランド力も上がる。米国における巨大ハウジング市場を考えれば、同社はまだそのほんの一部をかじったにすぎない。従来型不動産取引にストレスを感じる消費者が多い事実からすれば、同社ビジネスの伸びはまだ始まったばかりかもしれない。
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