エマヒンクリー氏記事の要約と拙著コメント
米国最大の住宅デベロッパーであるレナー社と米国最大のオンラインショッピング業社であるアマゾン社がこのほどジョージア州アトランタ市で新築モデルホームのオートメーションをテストし始めた。アマゾンエクスペリエンスセンターと名付けられたプロジェクトは家のあらゆる部分にITスマートホーム技術が駆使されている。
玄関にはキーレスエントリー(鍵なしでドアを開けられるシステム)やビデオドアベルが装着されている。入り口ではアレクサの名前を呼ぶように促される。アレクサはアマゾン社が持つ音声入力アシスタントで同社製エコーデバイスを使って稼動する。
家の内部ではライトスイッチ、温度調整サーモスタットなどがアレクサで調節できる。キッチンの食料庫ではそれぞれのアイテムに取り付けたアマゾンダッシュボタン($4.99)を押せば足りないものが自動的にアマゾンで注文できるようになっている。IOT付きの冷蔵庫などとも連動できるはずだ。
キッチンの真ん中にはアマゾンエコーデバイス($229.00)が置いてあり、アレクサに聞けば料理のレシピやパスタのゆで時間などを教えてくれる。もちろんアレクサに好きなミュージックをプレーするようにいう事もできる。
リビングルームに行ってテレビの前でアレクサにムービータイムというと部屋のカーテンが閉まりテレビがオンになる。部屋のライトが暗くなりテレビ後ろのカラーライトが点灯する。玄関が見たいとアレクサに言えば先ほどのビデオチャイムにある玄関の映像が映し出される。ネットフリックスやケーブルテレビで好きな作品の名前を出せばすぐにビデオプレーが可能である。
ベッドルームではアレクサでルンバ掃除機の操作が可能だ。またおやすみと声をかけるとシェードが閉まり、ライトが消える。家全体でエコーが5台用意されていた。
ガレージでは庭の灌漑用スプリンクラーシステムや電気自動車の充電装置、ガレージドアオープナーなどがアレクサでコントロールできる。
家全体のセキュリティーシステム(防犯システム)とも連動させる事が可能である。外出先から家に設置されたカメラをリモート操作で家の内外の様子やペットの様子などを確認する事もできる。
アレクサがうまく稼動しない、答えが出ないといった場合もあるが、今後これは改善されることに間違いない。問題はどのシステムが使いやすく、信頼性に優れ、拡張性がありしかもリーズナブルな価格で提供できるかどうかである。アマゾン、グーグル、アップルが最前線にあるが加えて家電メーカーや住宅機器メーカー各社が新商品開発にしのぎを削っている。電気自動車と同様、その普及はもはや時間の問題であると思われる。
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