NAR調査レポートより要約
米国住宅市場は過去4ヶ月で売り上げがスローダウンしている。しかしNAR(全米不動産協会)が米国各地の消費者を対象に行なった調査によるとレンター(賃貸物件に住んでいる人)の62%、家を売りたいと考えている人の80%が売り買いには今が良いタイミングだと回答している。全体では77%が買い時だという。
NARチーフエコノミストであるローレンスユン氏によると、「このように消費者には売り買いをしたいという気持ちは強いが、新築・中古住宅両方の在庫不足、高値によって購入できる家が少ない、買手間の競争などで売り上げにブレーキがかかっている。」という。
景気に対しても回答者の57%が景気はよくなるとポジティブな回答をしている。この数値は3ヶ月前に比べて3%、1年前に比べて9%上昇している。ポジティブな見方により、個人の財政状況にも良い影響を与えている。回答者中62%が自身の財政状況は今後よくなると回答している。これは3ヶ月前より4.8%上昇している。
ユン氏は「過去5年間で雇用状況、賃金上昇が進み、同時に住宅価格・株価も上昇した。2008年から比べると各世帯の財政状況はかなり改善した。」と述べている。
売却に関しては78%が今が売り時だと回答している。これは3ヶ月前より7%、1年前より15%と大きく数値が伸びている。
また各地域における住宅価格の動きについて質問したところ、64%がこの1年間で価格が上昇したと回答している。これは1年前の調査に比べて6%アップしている。逆に下がったと回答した人は6%にとどまっている。
モーゲージレートが急上昇する、雇用率が減少するといったニュースがない限り少ない売り物件、少ない取引件数、高い価格、高い家賃という状況はしばらく続きそうだ。
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