ティキウィギン氏記事より要約
物件交換プラットフォーム(Property Exchange Platform)と呼ばれる新型ビジネスモデルを特徴とするオ
ープンドアの仕組みを取り上げてみよう。
同社が売りに出しているラスベガスの物件を参考にしてみた。3 月17 日に売り出した同物件の場合同社
の購入価格から6.13%上げた価格で売り出している。売り手からしてみれば、売却価格はオープンドア社
の売り出し価格の5.75%引きということになる。売り手は売却時同社に対して売値の6-12%に当たる費用
をサービスフィーとして支払っている。果たして売り手は従来型のエージェントと専売契約を交わして
売却した場合より損をしたことになるのだろうか。
クラーク郡(ラスベガス所在)におけるオープンドア社売り出し物件とその購入価
格の比較
上図最上段にある2 月23 日に同社が購入した物件の場合、購入価格が$322,000 で売り出し価格が$345,000
となっている。もし同社が4%ディスカウントして売却すると仮定すると売却価格は$331,200 となり、こ
れはほぼ市場価格と言える。つまりオープンドア社は売り手から市場価格より2.78%($9200)のディス
カウントで売ったことになる。しかしオープンドア社は売り手にサービスフィーとして6.5%($20,900)を
チャージしているため、合計すれば$30,100(市場価格の約9%)を売却コストとして売り手が支払った
ことになる。
エージェントを使った場合、コミッションを6%とすれば約$20,000 支払うことになるが、これに売却時
にかかる費用(エスクロー、タイトル保険等)、売り手負担の修理費用などが加算される。
一方オープンドアの場合、購入時に売り手より$1,100 の修理費用を受け取り、同社売却時に$2,600 を修
理費用として使って物件価値を上げている。同社では売却時に修理費も含めて平均売値の1.5-2%のディ
スカウントを行なっている。
このケースの場合、オープンドア社に物件を売却した売り手はエージェントを使った場合より0.5%安く
売ったことになる。その間様々な変動要因が関わっているため、単純にどちらが有利とは言えない点が
ある。
ただ売りを急いでいる人にとって、売却が確実に短期間で完了する同社のサービスは大きなプラスと言
える。また売却時にショーイングするという手間が省ける。いつ売れるかわからない、仮契約してもキ
ャンセルされるかもしれないという不安もない。
ダラス、フェニックス両市に始まり、オープンドア社はラスベガス市に最近参入した。3 月17 日時点で
同社ラスベガスにおける売り物件は11 件である。同社では買い手エージェントに対して2.5%のコミッシ
ョンを支払うことになっているが、ラスベガスでは3%が標準なので2.5%のコミッションでは最初から
ショーイングしないエージェントが多いという。これを受けて同社では買い手エージェントコミッショ
ンを3%に上げる決定を下した。
同社にとってライバルも出現した。オファーパッド(OfferPad)、ノック(Knock)の2 社である。プロ
パティーエクスチェンジと呼ばれる同ビジネスモデルは売り手にとって確実に短期間で売却できるため、
今後米国各地で拡大しそうな気配だ。消費者は今後市場を通してこういったビジネスモデルの良い点と
悪い点を把握していくことになる。消費者の判断次第ということになる。
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